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2012年4月 3日 (火)

アンケート目的とその結果について

2012年1月に、相模原市議会の全議員49名を対象に、アンケートを行いました。

私たちは11月に市議会に対して、子どもを内部被曝から守ることを目的として、

「給食一食分丸ごと検査を毎日行って結果を公表するために全校に測定器を配備してください」
「内部被ばくゼロをめざし徹底した対策を講じるよう、国や県に対して意見書をだしてください」

という陳情を行いました。

その陳情は、12月議会では継続審議となりましたが、3月議会では不採択となりました。

その間、私たちは、陳情を審議してくださる議員さんたちが、

放射能の害、内部被曝について、どのような情報や知識、見解を持っておられるのか、

どこまで私たち親の不安を知ってくださっているのか、

を知りたくて、このアンケートを作り、

全7会派をまわって、各会派毎1,2人の議員さんにアンケートをお渡ししながら、

直接お話を聞かせて頂きました。


アンケート本文や集計結果、記述式回答の原文などは、下記PDFからご覧ください。

[  アンケート結果 ]

1. まとめの表紙   
「enquete0403.pdf」をダウンロード

2. アンケートの回答  (議員さんたちの ”生の声”  が読めます。 )
「QuestionnaireResults20120402.pdf」をダウンロード 

以下は、このアンケートについての、私たちの感想?講評?です。


1.アンケートの目的

放射線による健康障害については、特に低線量被曝や内部被ばくについて、

科学的に確立され、あまねく支持されている学説がありません。

しかし、放射能の感受性が高いこどもたちに対しては、予防原則に従い、

できるだけ外部も内部も被ばくを避けるべきであり、被ばく量は少ないほどよい、

というのは、どんな立場の科学者の意見も一致しています。

でも、国や多くの自治体、大手マスコミは、

直ちに影響がない」から安全だ、大丈夫だ、心配し過ぎは良くないと言った論調で、

子どもを被曝から守ろうという姿勢が見えません。

だから子どもたちを守るためには自分たちでやらなければ、と思い、

情報を集め、対策を講じてきました。

でも、個人でやれることには限りがあります

行政や議会を動かす人たちの協力も必要です。

だから、まず、放射能に対する私たちの思い、姿勢、根拠となっている情報などを伝え、

私たちと思いを同じくする議員さんを増やしたいと考えました。

さらに、私たちの活動に賛同していただき、

こどもたちをこれ以上被ばくさせないための施策を講じていただきたい、

一緒に作っていきたい、と願って、アンケートを作成しました。

また、配布する時には、各会派お一人以上の議員さんに面談していただき、

私たちのアンケートの趣旨をお話しながら、

放射能対策や市政についての議員さんのお考えを伺いました。

2.アンケートからわかったこと、議員さんとの面談からわかったこと

議員さんは本来放射能問題については素人であり、

私たちより情報を得ていない方が多いと感じました。

原発事故後早くから放射能関連について勉強している議員さんもいらっしゃいましたが、

それぞれのスタンスが異なり、得られている知識や考え方も違います。

議員さんたちの中で、勉強している議員さんの知識や情報が、

他の議員さんに共有されているようには見えませんでした。

また、興味を持たない議員さんがいる、ことを痛切に感じました。

しかし、面談時にお話いただき、アンケートに回答として書かれたことを、

実際に議会で提案し、施策につなげた議員さんもおられ(市民向け食品等放射能簡易測定器の設置検討)、

社会勉強的な意味で興味深く思いました。

※ 小学校の修学旅行 については、行く先を慎重に検討するべき、とか、

保護者と学校で協議すべき、という議員さんが9割近くもいらっしゃいました。

しかし、現実には、保護者と学校が対等な話合いをすることは非常に難しく、

修学旅行については、校長会で、日光行きが決まってしまいました。


※ 
がれき処理 については、安全性を確保し住民の合意の上で受け入れる、という意見が多かったのですが、

放射性物質、核の拡散は防がねばならない、という原則に言及していた議員さんはわずかでした。


※ 副読本 については、使い方の検討、内容の改訂、適切な解説の付加、

教師の個別対応などを必要とする意見が多くみられました。

このような議員さんたちの見解が市教委に伝わっているのか、

教育現場にはどのように反映されるのか、見守っていきたいと思います。

議員さんに共通する傾向として、

まずはじめに効率、費用対効果、市の財政を考え、

その限られた予算の中でできることから考えようという姿勢を感じました。

同じ予算でより多くの人に利益があるように、という考え方は一般的には理解できます。

しかし、放射性物質による内部被ばくからまず子どもを守るべきであることを考えると、

早急な対応、子どもを対象とした限定した対応が優先的に求められます。


子どもにとって重要な一食である給食は市の事業であり、

市が放射能汚染から給食を守るという明確な決意を示して実行し、

そのことを公表すれば、子どもの親たちの啓蒙にもなり、

ひいては社会全体の関心を高め、さらに大きな効果をもたらす可能性があると考えます。

たった一食でしかない給食、と言われた議員さんもおられましたが、

唯一市が責任を持てる貴重な一食です。

経済環境、情報環境の異なるいろんな家庭や親に広く影響を与えることができる有意義な給食です。

ぜひ、こどもを守るための砦として、市がこれからも給食一食丸ごと検査を続け、

さらに頻度や精度を上げる努力をしてほしいです。

また、事前の食材検査で放射性物質を検出したとき、

現在は、子どもが食べる量はわずかだから、という理由でそのまま給食に提供されているのですが、

できるかぎり、より放射性物質が少ない食材に変えることを原則としていただきたいです。

3.アンケートを行ったことの成果と今後に向けて


少なくとも、質問文を読んでいただいただけでも、情報量は若干増えた方が多かったと思います。

各会派の議員さんと直接面談することで、私たちが感じている不安は伝えることができたと思っていますし、

アンケートを通して、こんな話題についての勉強をしてください、と投げかけたつもりです。

「調査中」という回答を肯定的に受け入れたいと思います。

議員さんの中には、積極的に私たちの情報・知識を求められる方もあり、できるかぎり協力させて頂きました。

私たちは議員さんに敵対する存在ではなく、

できれば、私たちと思いを同じくする議員さんと手をつないで、一緒に活動していきたい

と願っていたので、

これもアンケートを通して、議員さんとお話をして理解しあうことができた成果と考えています。

一方、私たちは政党や会派にこだわらず多くの議員さんと協力関係を築きたいと思っていますが、

議員さん自身が、政党や会派の違いを非常に気にしている方が多く、

面談やアンケートの回答に私たちが戸惑うこともありました。

政党や会派というものが、かえって足枷になって最善の政治を妨害しているのでは?と素人ながら感じました。

今後、放射能関連の市の施策として、もっとも重要になるのは、がれき処理 かと思います。

バグフィルターの性能も実際に稼働させ検討している自治体もあり、

言われていたよりもはるかに低い性能だったことが明らかになったりしています。

また、核を、放射性物質を拡散させることは、核の取り扱い原則に本来反することであると、放射性物質の研究者たちも語っています。

(本来8000Bq/kgという汚染物質は、放射線管理区域内でしか扱えないようなもの。

もし、病院の放射線管理区域施設内でそれだけの医療用アイソトープ(放射性物質)を

密封せずに置いておいたらめっちゃくちゃ怒られるのに・・・)

さらに、現地処理を望む自治体長の声も届き始めています。

札幌市長http://www.city.sapporo.jp/kinkyu/20120323mayor.html

徳島県知事http://www.pref.tokushima.jp/governor/opinion/form/667は、

がれき処理を現状では受け入れられない との声明を出しています。

私たちはこれからも市や議員さんたちに、私たちが得た情報や知識、意見を伝え、

命を中心においた行政、施策がなされるように、働きかけていきたいと思っています。


+++追加+++

意見書について


3月末、3月議会で私たちの陳情が不採択になったことの通知と一緒に、市議会が採択した国に対する意見書のひとつが送られてきました。


私たちの陳情にはふたつ項目があり、

ひとつは 全小学校に放射性物質測定器を配備して、給食一食分を当日丸ごと測定して結果を公表してください、

というもので、

ふたつめは、内部被ばくゼロをめざし徹底した対策を講じるよう、国や県に対して意見書をだしてください

というものでした。

3月議会で採択された意見書は、

「東京電力福島原子力発電所事故に伴う放射性物質対策等に関する意見書」http://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/dbps_data/_material_/localhost/gikai/801000/pdf/kekka/2403.pdf

であり、初めて読んだ時は、「子どもたちへの影響を最小限にするための対策」にも触れられており、

私たちの思いが伝わっている、と感じて、とてもうれしく思いました。

しかし、仲間の母親たちからは、

「まだまだ言葉が甘い!」

「非核都市宣言しているのだから、放射性物質もはっきりNOと言って欲しい」、

「相模原から国を変える!と言った気概が足りない」、

「もう市としてはお手上げだから、国にお願いしました、というふうに受け取れる」

などの意見がありました。

終わりに

私たちの仲間の多くは働く母親です。

今まで多忙を理由にPTAすらあまり関わらずにいた親たちですが、

放射能対策のことで、校長室から教育委員会、市議会へと足を進め、

議員さんたちといろいろと話ができるようになったことは、

私たち自身にとって、社会との関わり方が大きく変わったわけで、

これも私たちの人生に与えられた、311からの学びのひとつだと受け止めています。


これからも、人に任せっきりにせず、

おかしいと思ったこと、違うと思ったこと、伝えるべき意見を積極的に行政に伝え、

自分たちにできる働きかけや勉強会などの活動を、

議員さんたちとも協力し合って、続けていきたいと思っています。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

2012年4月3日

「こどもまもりたい(自治体交渉チーム)」

 

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